フィロデンドロン

フィロデンドロン マハラジャ 開花|2021年冬

観葉植物としてのフィロデンドロン

 観葉植物のフィロデンドロンの紹介です。フィロデンドロンはサトイモ科に属するフィロデンドロン属の総称になります。サトイモ科にはクワズイモ属、ホウライショウ(モンステラ)属とメジャーな観葉植物を多数含む科です。その中でもフィロデンドロン属の多様性はかなり幅広く、同じ属とは思えないような品種が多数あります。逆に考えると、それだけ収集したくなる葉の多様性がありますので、観葉植物としては最適な属と言えます。
 よりポピュラーな観葉植物のモンステラをイメージすると分かりやすいですが、気根を伸ばしながら育つ特徴があります。種類によって枝の太さ、自立性が異なりますが、基本的には、つる植物になります。日本でつる植物というとアサガオが一番分かりやすいですが、観葉植物の代表ともいえるモンステラはつる植物です。放っておくと自立してくれません。。。
 モンステラと双璧をなす観葉植物はオーガスタ(ストレリチア ニコライ)と思います。オーガスタはもちろんつる植物ではありませんので、株の成長とともに株サイズが大きくなっていきます。一方で、モンステラ、フィロデンドロンが成長すると、手が付けられらくなって、強剪定するしかなくなります。株の剪定・増殖を楽しみたい人は、オーガスタでは満足できずに、モンステラやフィロデンドロンが最適かと思います。一方で、株姿が乱れるのが嫌な人や、剪定を面倒に感じるには、モンステラやフィロデンドロンはお勧めできません。
 個人的には、植物を深く楽しむ一つの切り口は増やすことだと考えています。その点で、モンステラ、フィロデンドロンは剪定と、剪定に伴う余剰枝での挿し木増殖がセットで楽しめます。挿し木と言えば、アジサイが一番ポピュラーですが、アジサイと比べても同じくらい簡単に挿し木できるのがモンステラ、フィロデンドロンの特徴です。なぜなら気根があるからです。挿し木開始時から根が生えている状態に等しく、挿し木成功率が著しく高くなります。

フィロデンドロン ルゴーサム種 「マハラジャ」

 いくつかフィロデンドロンを育てていますが、ツワブキの縮面を観葉植物で体現したかのようなフィロデンドロン属ルゴーサム種のマハラジャです。5年ほど前から育てている大株になります。観葉植物の観賞ポイントは綺麗な葉の形や葉の色、斑の色ですが、マハラジャは、見る人によっては病気の葉とも見えてしまう特殊すぎる葉の形です。

フィロデンドロン-マハラジャ

フィロデンドロン「マハラジャ」

 太い主枝が2本伸びている株ですが、かなり締まった育ち方としています。ルゴーサム種らしい厚い葉なので、破れることもなく、長い間、葉が残ります。斑入りのモンステラが、早々に葉痛みするのとは大違いです。葉のアップを見ると、本当に奇妙な葉であることがよく分かります。

フィロデンドロン-マハラジャ-変形葉

フィロデンドロン「マハラジャ」の変形葉

 このようなクシャクシャになる葉姿のフィロデンドロンは他に知りません。植物の多様性にはいつも驚かされます。そして珍しい植物を見る楽しみは尽きません。

フィロデンドロン「マハラジャ」の開花

 こんな変な葉のフィロデンドロン「マハラジャ」に花が咲きました。美しい花とは言えませんが、植物自体が珍しいので、花はもっと珍しいと思います。

フィロデンドロン-マハラジャ-花

フィロデンドロン「マハラジャ」の花

 こちらの写真には下方に蕾が写っているので、花の進み方が分かります。

フィロデンドロン-マハラジャ-花

フィロデンドロン「マハラジャ」の花と蕾

 最初は葉と同じ質感の皮(仏炎苞)に覆われていますが、バナナを剥く(?)かのように中から花(花序)が出てきます。冬なので室内で育てていますが、特段、良い匂いも嫌な臭いもしませんので、咲かせても安心です。。。
花はこの2つだけでなく、合計5個上がってきています。以前に同じくフィロデンドロン属の「プルートロンギフォリア」を育てて花を咲かせましたが、その時も同じ年に5個ほどの花を咲かせました。一定の大きさ以上の株サイズになると、日本で観葉植物として育てても開花しやすいように思います。

モンステラ「デリシオーサ」の実

 ついでに、同じサトイモ科の隣属になるホウライショウ(モンステラ)属のモンステラ「デリシオーサ」の紹介です。姉妹サイトの野菜・果物編の記事「モンステラ(デリシオーサ)の実を食べる」でモンステラの花を紹介していますが、こちらの花後の実はデリシオーサ(デリシャス)と名がつく通り、食べられるそうです。

モンステラ-デリシオーサ-実

モンステラ「デリシオーサ」の実

 開花時は、マハラジャと同じように花びらに当たる仏炎苞がありましたが、枯れ落ちて、果実となる花序だけ残っています。観葉植物はその名の通りでは、葉を楽しむところで終わります。しかし、育てる植物の選び方、そして育て方次第で、花や実を楽しめるのは、植物を趣味として深く楽しめる理由かなと思います。
 ただ、そんなに都合の良い観葉植物はそう多くはありません。果実を楽しめるのは、モンステラ「デリシオーサ」か、果実ずばりのバナナになるかなと思います。花を楽しめるのは、フィロデンドロン、モンステラよりはストレリチア・レギネの方がおすすめです。ストレリチア・レギネは、珍しいだけでなく、とても美しい花が、比較的、簡単に見られます(別記事「ストレリチア・レギネーの初開花」)。




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