斑入りマドカズラの挿し木の親株
先の記事「斑入りマドカズラの作り方 挿し木の結果」の続きです。今度は親株の方です。挿し木開始の記事「斑入りマドカズラ 挿し木スタート」の親株の5カ月経過での成長を追います。挿し穂を採った後の親株はこんな感じでした。
5節ありますが、葉もなく哀れな状態です。。。ただし、きっちり根を張らしていたので、充分復活するという予想で、豪快に挿し穂を採っています(挿し穂を採って親株が枯れた…では困るので、親株の根張りは充分に確認が必要です)。
挿し木の親株1か月後
基本的な植物の芽の出方として、頂芽から出てきます。5節の一番上か2番目くらいの節から優先的に強い芽が出るはずです。実際の株の写真です。
上の2芽が強く出ていますが、地上に見えている5節全てに芽が出ています。親株が元気な証拠です。これで親株が枯れることはなく一安心ですが、次の観点は、斑入りを発現するかどうかです。5節の芽が同時に同等に成長することはありません。このまま育てると、必然的に一番上の1つ目のみか、上の1つ目、2つ目の2つの芽くらいが成長して、下の芽は上手く育ちません。ここで、芽の選別になります。5芽の中から斑の入り方が優れているものを選別して、強く成長させるようにコントロールが必要です。具体的には、、、
- 一番上の芽が良い斑入り芽
⇒放置でも構いません(植物の特性の通りに一番上の芽が元気に成長しやすいです)
⇒私なら、下の4芽が全て折り取ります(成長の力を一番上の芽に集中させます) - 一番上の芽が斑無し芽で、二番目以降の下の芽が良い斑入り芽
⇒良い斑入り芽の上でカットして、良い芽を一番上の芽に更新します - 良い斑入り芽がない(斑無し葉のみ展開している)
⇒上の斑無し芽から順に、芽を折り取る(もしくは斑無し芽を含む枝をカットする)
⇒⇒次の出芽の斑入りを期待
挿し木の成長記事にも書きましたが、マドカズラの斑入りの良い芽は、芽を見るだけでは確認(断定)しにくいです。ぱっと見では、5芽ともに斑が入っていないように見えますが、もう少し様子を見ます。
挿し木の親株2か月後
さらに1か月経過し、挿し穂を採って2か月後の状態です。
一番上の節の芽(枝の右側の一番上の芽)は不注意で折ってしまい、二番目の節の芽(枝の左側の一番上の芽)が伸びて、葉を展開しました。しかし、、、2つの葉が展開してどちらも斑無しです。このまま成長させても斑無しマドカズラになるだけです。先に述べたルール通りに、上の2芽を含む枝をカットしました。カット後の姿です。
5節=5回のチャンスのうちの2回が終わりました。。。残る3節=3回のチャンスで、綺麗な斑入り芽を展開してほしいところです。しかし、芽、そして枝ともに、見た限りでは、斑が入らなさそうな緑の強い芽、枝です。。。
挿し木の親株5か月後
2か月後までは成長度合いをよく見ていたのですが、放置してしまい、一気に5か月後になり、真夏を越して秋に入りました。
見事に斑入り株に復活しました。前記事でも書きましたが、マドカズラ(モンステラ・アダンソニー)の斑入りの発現は枝だけで、断定的に判断しにくいことがあらためて分かります。3芽あった中の2芽が大きく伸びて成長しています。
親株の元枝に斑があまり見えていないですが、芽吹いた2芽の枝に良い斑が入っているのが分かります。元枝を見ていたら、こんな良い斑入り枝が育つとは思えないです。
挿し穂を採られた親株の生育まとめ
マドカズラの挿し木について、挿し穂の生育に続いて、挿し穂を採られた親株の生育を追いました。どんな植物でも挿し木した場合、挿し穂と挿し穂を採られた親株の生育があります。どちらの生育にも参考になればと思います。
斑入りのマドカズラを作り出す点で、挿し穂の生育と同じく、親株の生育においても、出芽や枝だけの外観で決めつけるのは良くないことが再認識できました。
予想以上に順調に挿し木株、親株ともに良い斑入り株が作り出せた2022年のマドカズラ増殖だったと思います。