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ツワブキ 斑の色
ツワブキの斑の色の紹介です。観葉植物や他の植物にも共通ですが、斑の色をごく簡単に分類すると、白斑と黄斑の2種類と思います。ツワブキは白、黄の2種に加えて、黄緑があります。白斑と黄斑の混合?的なものが黄緑かもしれませんが、明確に分けて黄緑色と言いたくなる色です。
具体的な品種としては、白斑のツワブキは、「浮雲錦」「銀月」「白翠冠」が有名です。葉の形態の芸は無いですが、覆輪斑から掃け込み斑の形で白斑が入る品種です。
黄斑のツワブキは、蛍斑の「天星」、葉の縁を綺麗に黄色の線が囲む金環斑の「金環」が有名です。
黄緑は、中斑の「小田絞り」「竜虎」が有名です。白斑、黄斑に挙げたツワブキは普及種で入手しやすいですが、黄緑斑の「小田絞り」「竜虎」は、少し入手難で高価です。ヤツデの「叢雲錦」の中斑もまさに黄緑色で、こちらも高価なヤツデです。
次に、斑が2色入る三光斑があります。白斑に黄緑斑が混じるイメージが最も一般的な三光斑です。白斑のツワブキの浮雲錦、銀月、白翠冠にも表れますが、明瞭な三光斑には見えません。三光斑はギボウシの品種ではポピュラーな斑です。観葉植物では、モンステラやクワズイモでも綺麗な三光斑(白斑と黄緑斑)を示します。
少し異なる三光斑として、アジサイのレモンウェーブがあります。レモンウェーブは白斑と黄斑で三光斑となります。ツワブキでは見られない綺麗な三光斑だと思います。写真の葉は、11月の秋の新芽で、黄斑が黄緑斑のようになり綺麗でないですが。
白斑のバリエーションとして、乳白色、クリーム色や雪白と言われるものがあります。白斑の微妙な色幅の表現です。ツワブキの白斑は、白に少しクリームが入るような白斑が多いように感じます。たまに雪白斑と言えるような混じりけのない白斑が見られます。
ツワブキには無い斑の色としては、ピンクや濃赤なんてのもあります。モミジなんかでは、白、黄、黄緑、ピンク、濃赤、褐色とかなり斑の色幅が大きいと思います。
斑の色だけに着目すれば、モミジよりバリエーションのある植物は無いように思います。
ツワブキ 「国見錦」 白斑(掃込み斑)&変形葉
白斑の品種の「国見錦」です。白斑の掃込み斑です。白斑の色に加えて、変形葉の形態芸を併せもちます。散り斑状に、白斑から黄緑斑が表れた葉です。葉の形もツワブキらしい典型的な丸い葉でなく、おかしな形となっています。
国見錦も時々、芽の選定をしておかないと、綺麗な白斑が抜けてしまいます(緑葉の変形葉になってしまいます)。この品種に限らず、ツワブキは、植え替え時に良い芸を維持する芽の選別はとても大事です。
ツワブキ 「斑入り三つ葉」 白斑(三光斑・雪白斑)&三つ葉?
次に、「斑入り三つ葉」として入手したものです。白斑と黄緑斑が分かれて表れるので、綺麗な三光斑に見えます。白斑も雪白斑と言えるような混じりの無い白斑です。
国見錦の斑との違いは、黄緑斑が大きな面積、白斑が雪白斑的に鮮明の2点です。斑の色に着目していますが、葉の形態芸も大変、面白いです。三つ葉と名が付きますが、三つ葉に全く固定されずに、ツワブキとは思えない変わり葉を出して、観賞価値が高いです。変形葉は縮面葉や獅子葉を併せもつことが多く、変わり葉の形が分かりにくいです。この品種は、縮面葉や獅子葉を示さずに平面の葉なので、変わり葉が見やすいのも長所です。
ツワブキ 「黄葉」 黄斑(曙斑)
次に、黄斑の「黄葉」です(そのままの名前ですが、入手時の名前です)。黄斑は曙斑で春先の新葉全面に見事な黄色になります。その後は、黄緑から薄緑程度の色に変わっていきます。
左のツワブキの緑葉に対し、右のツワブキは、全葉が見事に黄色です。曙斑なので一過性の葉の色ですが、部分的に色が入る掃け込み斑や覆輪斑とは別格の分かりやすさです。日光の当たり具合で、春先の新葉の黄色の色味は変わります。日陰で育てると、せいぜい黄緑止まりですので、真夏の直射光を除き、できるだけ日光を当てて育てるのは、ツワブキの育て方の原則です。
こちらは、秋の葉色です。
右側の濃い緑色に比べると、黄緑に見えます。しかし、春先の見事な黄色に比べると、芸として楽しめるほどではありません。
ツワブキ 「竜虎」 黄緑斑(中斑)
黄緑色の中斑に縮面、竜頭芸を併せもつ「竜虎」です。斑が不安定で芽の選別が面倒ですが、面白い品種だと思います。
ただし、黄緑の中斑の安定性は、間違いなく、「小田絞り」の方が優れます。なぜ縮面、竜頭の芸を併せもつと、黄緑の中斑が不安定化するのかは分かりません。複合して併せ持ちやすい芸と、併せ持ちにくい芸があるのかなと思います。その当たりを理解したいところですが。。。
ツワブキ 魅力的な斑の色
ツワブキの斑の色の点での品種の多様性も、面白いものです。蛍斑や金環斑はツワブキ以外の植物ではあまり見られません。ただ、ツワブキの品種の多様性の大半は、葉の形態芸になっているようです(角が生えたり、くしゃくしゃになったりと、ツワブキ『独特の』観賞ポイントは形態芸なのは間違いないと思います)。葉の形態芸の短所として、形態芸が凄くなるほど平面で葉を観賞しにくくなるので、斑色と形態芸を同時に楽しみにくくなってしまいます。
ツワブキには花物の八重咲、千重咲と面白いものがあるので、例えば、綺麗な金環斑を楽しめる「金環」に八重咲花なんて複芸があれば、とても興味深いな(作出したいな)と思います。