ツワブキ 「天星」の代わりに「八重蛍」
ツワブキの星斑のまとめです。ツワブキの葉芸の中で、間違いなく最もポピュラーな芸だと思います。星斑や蛍斑と言われますが、子供の頃に初めて見た時は、病気の葉かなー?と思って、気持ち悪い印象しかなかったです。今では、「星」や「蛍」と良いイメージに例えられる趣が感じられる年齢になりました。
日本庭園や一般家庭でも見られる星斑の品種は「天星」になります。近くの庭園あたりで写真を撮ろうと思いましたが、面倒なので、星斑に八重咲の花物の複合した「八重蛍」の星斑、蛍斑の葉です。

ツワブキ「八重蛍」の星斑
写真中央の葉は鮮明に斑が現れて、まさに蛍、星な感じに見えます。ただ、天星もこちらの八重蛍も、星斑はやや不安定に感じます。たまに強く出ますが、少ししか発現しない時もあります。植え替え時は、できるだけ、斑の強い芽を選別して残すようにしています。ツワブキの斑入り芸は、多少の不安定性は残るので、植え替え時の芽の選別は重要ポイントです。品種間の単純比較では、この天星、八重蛍に比べ、後に紹介する珊瑚、黄楓は蛍斑が強くボタ斑状に現れるので、より優秀な斑入り芸です。
八重蛍の花は、こちらの記事(ツワブキの八重花)を参照ください。蛍斑を楽しむのなら、綺麗な花も同時に楽しめる八重蛍がおすすめです。
ツワブキ 「珊瑚」
次は、蛍斑にモミジ葉の葉の形態芸も併せ持つ「珊瑚」です。モミジ葉自体は、それほど面白い芸だと感じませんが、珊瑚の蛍斑は強く、ボタ斑状に出るのが良いところです。

ツワブキ「珊瑚」の星斑・モミジ葉
モミジ葉はフギレ葉とも言われ、葉の縁から裂けてモミジ状の葉になる芸です。珊瑚では、浅く避ける程度で大きく裂けたモミジ葉にならないようです。次に紹介する黄楓は大きく裂けるフギレ葉なのですが、葉の巻きが加わるので、いまいちモミジらしくなりません。
蛍斑ではないですが、手持ちの品種で最もモミジ葉になるのはこちらです。

ツワブキ「斑入り・縮面・三つ葉」のモミジ葉

ツワブキ「斑入り・縮面・三つ葉」のモミジ葉
明確な品種名はなく、「斑入り・縮面・三つ葉」になります。深めに裂けるモミジ葉に縮面が混ざるのですが、葉の巻きがあまり無いので、モミジの葉に近い形状を示します。ツワブキは、すごい芸になるほど、多種の芸が複合しますが、複合により個別の芸が見えにくくなっている品種も多々あるように感じます。以前に紹介しましたが、シンプルながら面白い「火山烽」なんかは、複合芸の対極的で好きです。
ツワブキ 「黄楓」
次に、「黄楓」です。星斑が強くボタ斑状に現れ、さらにフギレ、内巻き、波、角等の形態芸を示すものです。

ツワブキ「黄楓」の星斑
名前に「楓」の文字をもらっていますが、モミジの葉を想起しにくいですね。
こちらは、特に綺麗な葉のアップです。ボタ斑が光るように綺麗です。

ツワブキ「黄楓」の星斑
葉芸の話ばかりしていますが、黄楓は、丁子咲きの変わり花も咲かせます。こちらも綺麗です(黄楓の花)。
ツワブキ 「天の川」
次に、星斑に縮面が加わる「天の川」です。季節によって斑の現れ方が変わるように思いますが、秋の葉には綺麗に星斑が出ています。

ツワブキ「天の川」の星斑・縮面
この星斑もボタ斑状に強く斑が出てくれますが、強い縮面と混じると、「星」「蛍」感が薄れます。。。

ツワブキ「天の川」の星斑・縮面
今年は花芽が上がっているので、天の川の花もまた紹介したいと思います。
山野草の苗/ツワブキ:青軸天星(アオジクテンボシ)5号鉢植え
ツワブキ 「星龍獅子」
最後は、星斑に角、石化の形態変化芸が加わる「星龍獅子」です。もはや「星」「蛍」は分かりませんが、黄色の斑の色の綺麗さが分かるのみです。

ツワブキ「天の川」の星斑・角・石化
星斑は遺伝性のある非キメラ斑で、色々な芸が複合されているのが良く分かります。花の記事でコメントしましたが、白花、オレンジ花と花色が変わる品種に星斑をかけた品種を知りません。交配をトライするなら、最初の攻めどころはこのポイントかなと思います。