モンステラ

モンステラ・オブリクアの一括挿し木 |2022年盛夏

オブリクアとは

 前記事「色々なモンステラ(マドカズラ系)」にも少し登場しましたが、まずオブリクアについて説明します。正確には、モンステラ・オブリクアになります。ペルー原産のようで、オブリクア・ペルーという名前で見られます。葉の縁に切れ込みが入らずに、葉の中に穴が開く姿は、マドカズラと同じです。しかし、マドカズラの穴より、細かく穴が開くこと、葉全体が波打っていることが違います。

モンステラ-オブリクア-ペルー

モンステラ「オブリクア・ペルー」

 説明文だけ見ると、マドカズラと大きく違わないように思いますが、実物を見ると、オブリクアとマドカズラは全然違うので、一目瞭然で分かります。葉の大部分を占める穴の雰囲気と葉の波打ち感が、他の植物には見られないオブリクア特有の魅力です
 モンステラの仲間になるのですが、育ち方も変わっています。モンステラの生育は、通常、成長点をもった枝が一節につき一葉を出しながら成長していきます。オブリクアも、同様に一節一葉で育つ時もあるのですが、葉を展開せずに枝だけが伸びていく状態、いわゆるランナーが伸びる状態になることもあります。どうしたら、葉の展開が続くのか?どうしたらランナーが伸びるのか?はイマイチ良く分かりません。ただ、葉の展開を続けることはとても難しいようです。モンステラは放っておくと葉だらけの茂った株姿になるのに対し、オブリクアは多数の葉を展開させること自体が難しいようです。私も2株育てていましたが、気づいたら、葉は展開せず、ランナーが異常に伸びている状態でした。

モンステラ-オブリクア-ペルー-ランナー

モンステラ「オブリクア・ペルー」ランナー

 ネットで調べていると、葉は3枚、多くて4枚くらい展開した株はよく見ます。しかし、葉が10枚展開したような生い茂った株は見たことがありません。株元をピックアップした写真です。

モンステラ-オブリクア-ペルー

モンステラ「オブリクア・ペルー」株元

 古い順番に1から番号を振っています。1、2、3と葉が展開しましたが、4は葉にならず葉芽のみ、5からは完全にランナーになって伸びるのみになっています。
もう一株は、さらにランナーが伸びています。

モンステラ-オブリクア-ペルー-ランナー

モンステラ「オブリクア・ペルー」ランナー

 葉は2枚しか展開していないのに、ランナーは60cm以上になっています。このまま育てていると、どうなっていたのかの興味もありますが。。。

オブリクア ランナーで「一括」挿し木

 どうしようもない長さになったオブリクアのランナーの使い道は、挿し穂です。モンステラの枝を節単位で切って挿し木するのと同じく、ランナーを節単位で切って挿し木に使います。モンステラと違うのは、一括で挿し木することです。

挿し穂準備

 まずランナーを切り出します。

モンステラ-オブリクア-ペルー-ランナー

モンステラ「オブリクア・ペルー」ランナー

 ランナーをよく見ると、節があり、節毎に葉芽の鞘のようなものが見られます。何らかの理由で、葉になれずに葉芽の鞘になったということでしょうか?この辺りの仕組みがよく分かりません。次に、1~2節毎に切り刻みます。

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モンステラ「オブリクア・ペルー」ランナーから挿し穂づくり

 長いランナーなので、大量に挿し穂が作れます。簡単に挿し木ができるのであれば、もっと世の中に普及しているはずなので、簡単に挿し木できない理由があるような気がします。

一括で挿す

 普通の挿し木は、挿し穂を1本ずつ挿すのですが、オブリクアの挿し穂は至って小さいので、まとめて挿します。まず挿し穂1本のアップ写真です。

モンステラ-オブリクア-ペルー-ランナー-挿し木

モンステラ「オブリクア・ペルー」挿し穂

 よく見ると、黄丸で囲った小さい点が見えます。おそらくは根(気根)の元と思われます。オブリクアもモンステラの一つですから当然と言えば当然です。
 これをまとめて一括挿し木します。こんな細かいのを一つずつ挿し木なんて、面倒でやってられません。また成功率が不明なので、今回の実験で感触を探ります。

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モンステラ「オブリクア・ペルー」一括挿し木

 水苔に挿し木を並べます。挿し木の基本としては、挿し穂に対し、用土(水苔)をきっちり接触させます。しかし、オブリクアの挿し穂を抑えると折れてしまうので、まずは水苔の上において並べる感じです。次に、挿し穂と水苔の接触面積を確保するために、上からも水苔をかぶせます。

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モンステラ「オブリクア・ペルー」一括挿し木

 メモしておかないと、全く何が入っているのかわからない水苔の塊となりました。プラスティックケースの下面は穴が開いています。穴から排水できますし、穴から底面吸水もできます。片方のプラスティックケースは上面開放にし、もう片方は蓋ありにしています。蓋の有無による湿度差をつけて、生育に差が出ないかなー?という小さい実験です。このままでは、湿度を保ちにくいので、ケースの中に入れます。

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モンステラ「オブリクア・ペルー」一括挿し木

 プラスティックケースの下に赤玉土(細粒)を敷き詰めて水を吸わしています。湿度計があれば湿度を測れるのですが。。。

オブリクアの一括挿し木 その後の予定

 オブリクアのどうしようもない長いランナーを活かして、大量の挿し木(一括挿し木)を実施しました。真夏の暑すぎる日の処理なので、挿し穂のベストタイミングとは言いにくいですが、願わくば50%、最低でも20%くらいの成功率で発根することを期待しています。
 この後の育て方ですが、発根するまでは、一括管理します。もし発根が進んでくると、多数の挿し穂が絡み合いますので、絡み合う前に、挿し穂一本ずつの植え付けに変更します。マドカズラやデリシオーサのような普通のモンステラの場合、絶対に50%以上の確率で挿し木できる自信がありますが、今回は、オブリクアの初トライなので成功率は未知数です。今回の増殖に成功したら、次は、ランナーの出し方、葉の出し方を理解したいです。

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