フィロデンドロン 挿し木

フィロデンドロン マハラジャ 挿し木|2022年春

挿し木したい株とは?

 2022年の挿し木トライの一つのフィロデンドロン「マハラジャ」です。2022年は挿し木できるものは何でも挿し木予定ですが、当然、挿し木すべき状態になった株を挿し木します挿し木することで、親株がダメージを受けては意味が無いです挿し木したい株とは?⇒挿し木したい天挿しとは?挿し木したい管挿しとは?で考えます。

挿し木したい天挿しとは?

 まず念のための天挿しの説明です。天挿しの挿し穂とは、枝の先端のことです。トップカットという言い方もあります。天挿しのメリット、デメリットを考えます。

  • 天挿しのメリット
    成長点があるので、斑入り種は、斑の継続性が分かりやすい
  • 天挿しのデメリット
    (個人的な意見ですが…)枝が若いので、挿し木の管理が難しい
    一枝の先端しか取れず、挿し穂が採れにくい

 天挿しのデメリットは個人的な意見です。。。天挿しは成長点を含み。生育している最先端です。当然、枝の水分量も多く、若い枝となります。あまり天挿しvs管挿しで、天挿しの枝の若さに対する言及を見ないのですが、天挿しの若すぎる枝は、挿し木の発根までの水管理が難しく思います。若いから発根しやすい?のようなイメージを持たれる人もいるかもしれませんが、若い枝だから発根しやすいという実際の経験は皆無です。管挿しに対して、天挿しでは、一瞬の水切れに対する挿し穂へのダメージが大きすぎるように思います。もう一つは、天挿しは一枝に一本しか取れない点です。管挿しは、切り方次第で何本でも採れますが、天挿しに拘ると、挿し穂数を確保しにくいです。

挿し穂-挿し木-天挿し-トップカット

天挿しイメージ(何節採っても一枝に一つ)


 天挿しの最大のメリットは、斑の継続性が分かりやすい点です。生育している芽をそのまま使用するので、当然、その後の生育が分かりやすいです。斑入り種では、斑の継続性が最大の重要ポイントです。良い斑入り葉が展開してきた枝をそのまま挿し木すれば、良い斑入り葉の株が間違いなくできます

 挿し木したい管挿しとは?

 次に管挿しです。管挿しとは枝の先端を含まない枝を指します。枝から挿し穂と採っていくと、最先端が唯一の天挿しとなり、その後は枝の長さと切り方次第で複数の管挿しが取れます。ミドルカットという言い方もするようです。

  • 管挿しのメリット
    (個人的な意見ですが)枝が成熟していて水切れに強く発根率が高い
    使用する節数、枝長さ次第で多数の挿し穂が採れる
  • 管挿しのデメリット
    斑入り種の場合に、斑の発現が分かりにくい

 管挿しのメリット・デメリットは、天挿しの裏返しです。最大のメリットは、挿し木しやすさです。発根の確率も高い(個人的意見です…)し、挿し穂も多数採れやすいので、多数の株が作れます

挿し穂-挿し木-管挿し-ミドルカット

管挿しイメージ(一節採ったら一枝に4つ)

 上の絵は1節で挿し穂を作って、1つの枝から4つの挿し穂を採っています。下の絵は、2節で挿し穂を作って、1つの枝から2つの挿し穂を採っています。植物の特徴によって、1節から挿し穂を作ったり、2節から挿し穂を作ったり、、、と色々と調整しやすいです。

挿し穂-挿し木-管挿し-ミドルカット

管挿しイメージ(二節採ったら一枝に2つ)

 デメリットは、斑入り種のような枝の選別が必要な品種では、斑入り種と思って挿し木したら、斑抜けになっていた…のようなことが起こり得ます。ただし、斑入り種でなければ、この点はデメリットになりません

フィロデンドロン「マハラジャ」の挿し木の元株

 挿し木の前に、挿し穂を採られた元株の紹介です。枝がかなり長く伸びていて、まさに挿し木してくれ!という感じです。

フィロデンドロン-マハラジャ-挿し木元株

フィロデンドロン「マハラジャ」挿し木前の大株@4月

 枝の部分のアップです。以前に気根の数の記事「モンステラ フィロデンドロン 挿し木のための気根」でも記載しましたが、挿し木に気根は重要な要素となります。が、元気な気根は殆ど無しでした(干からびた気根ばかりです)。。。

フィロデンドロン-マハラジャ-挿し木元株

フィロデンドロン「マハラジャ」挿し木前の大株の根元@4月

 気根はともかく、多数の節数は見られます。約1-2cmおきに節となる線が見えます。最小単位の1節で挿し木する気はありませんが、細かく刻むなら、本当に多数の挿し穂が採れそうです。

フィロデンドロン「マハラジャ」の挿し穂作成

 思い切って切って挿し穂の元枝の左右2本から、合計天挿し2点、管挿し4点です。

フィロデンドロン-マハラジャ-挿し穂

フィロデンドロン「マハラジャ」挿し穂作り@4月

 2つの長く伸びた枝から、天挿しと管挿しを10-15cmの長さで挿し穂を作りました。もう一方は、こんな感じです。

フィロデンドロン-マハラジャ-挿し穂

フィロデンドロン「マハラジャ」挿し穂作り@4月

 節数では、それも7~10節でくらいです。アジサイは1,2節で挿し木しますし、モンステラも2-4節程度で挿し木しますので、かなり節数は多いです。節数が多いことは、挿し木時の生育できる芽点が多いことに繋がります。一番上の芽点の生育が失敗したら、その次の芽点が動きます。かなり芽点の保険がある感じです
 天挿しは当然2つしか採れません。管挿しは4点採れました。しかし、挿し木を完了してからですが、節数を変えた管挿しを採ればよかった…と後悔しています。天挿しvs管挿しの実験に加えて、管挿しの中で節数(挿し木長さ)の影響も見たかったのですが。。。

挿し木完成

 天挿し2点、管挿し4点の挿し木苗を完了しました。一枝から、天挿し1点、管挿し2点です。

フィロデンドロン-マハラジャ-挿し木

フィロデンドロン「マハラジャ」挿し木苗@4月

 もう一つの枝からの3点です。10-15cmの大きめの挿し穂の半分ほどを包むように、水苔に植え付けています。

フィロデンドロン-マハラジャ-挿し木

フィロデンドロン「マハラジャ」挿し木苗@4月

 管挿しの挿し木苗のアップです。こちらは2つの芽が青丸の中に見えています。

フィロデンドロン-マハラジャ-挿し木-管挿し

フィロデンドロン「マハラジャ」管挿し挿し木苗@4月

 マハラジャは斑入り種でないので、緑の芽が出ても全く問題ありません。しかし、斑入りのモンステラやフィロデンドロンを挿し木していたら、真緑の芽が出たらがっかりします。。。もう一つの管挿しの挿し木苗です。こちらは、全く緑の芽点が見えません。

フィロデンドロン-マハラジャ-挿し木-管挿し

フィロデンドロン「マハラジャ」管挿し挿し木苗@4月

 芽点のようなものが2つ見えます。ただし、緑の芽点が見えていないので、気根の枯れた痕かもしれずで、明確な判別がつきません。複数の節の枝なので、芽点が無い!なんてことはありません。ただし、成長点込みの天挿しと違って、管挿しの芽点(成長点)が見えないデメリットが分かるかと思います

挿し木(管挿し)の生育状況

 一方で、管挿し4株の方です。枝の木質化が進んでいるような枝を使って挿し木株を作りました。最初はこんな感じです。枝のみを挿して作った至ってシンプルな姿です。気根があれば、生育に有利なのですが、残念ながら天挿し株、管挿し株ともに気根なしです。なので、どちらも条件は同じです。

 赤丸で囲んだところに芽点は見えます。節数は多い挿し穂なので、元気であれば、多数の芽が出る可能性があると言えます。
 次に、3か月後の管挿し4株の姿です。

 4株の生育に多少の差がありますが、どの株も芽が動いていることが一目瞭然です。多数の芽が動いているので、元気に育てるには、成長する芽を絞った方がいいかなと思う位です。一番育っている管挿し株は、既に葉が2枚展開しています。

フィロデンドロン「マハラジャ」挿し木のまとめ

 枝が伸び過ぎたフィロデンドロン「マハラジャ」を挿し木しました。今回の実験は、共通条件として、

  • 挿し木の時期:4月
  • 挿し穂の長さ:10~15cm(7-10節)
  • 挿し木用土:水苔
  • 挿し木元株:同株

で、検討する点は、

  • 天挿し(2株) vs 管挿し(4株)

になるかと思います。同じ株を用いての単純比較ですので、枝そのものの差異なく、天挿しと管挿しの挿し木成功に対する差異が分かればよいかなと思います。

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