ツワブキ 龍泉の舞
ツワブキ「龍泉の舞」の紹介です。幅広葉の中心から細かい昇竜芸を見せる特徴的な芸です・「火山烽」が大きな1本の昇竜芸に対し、「龍泉の舞」は生け花で使う細かい多数の剣山的な昇竜芸のイメージです。
「龍泉の舞」最大の特徴の昇竜芸は、秋の新葉が展開する時に株が充実していないと満足する芸を見せにくいです。同じ株の中(写真の右側)に普通の葉があることから、本株はまだまだ充実した株には程遠いと分かります。来年は株を充実させて、もっと長く密集した昇竜芸を見せたいと思います。
いつもツワブキの参考にしている本に、奥野哉著のツワブキ(誠文堂新光社出版)があります。この本で調べると、「龍泉の舞」の昇竜芸がより安定になった「玄武兜」「槍千本」「八岐大蛇」といった名前からして凄い品種があるようです。機会があれば、入手したいと思っているのですが。
ツワブキ 神龍系
秋芸が顕著な「神龍系」と言われるツワブキです。春先は脈斑が顕著な幅広葉を表しますが、秋芸は見事に強烈な石化に獅子葉に角芸と、言葉では上手く表現できません。見ての通りの芸です。よく見ると、花芽もあるので、開花時にも記事にしたいと思います。来春には春の新葉と比較して、春芸、秋芸の差を明示したいと思います。
「神龍系」と言われるクシャクシャなタイプの品種は、秋の育て方に特別な注意点があります。夏を元気に育てて秋の新葉展開の準備をすることは、「龍泉の舞」や他のツワブキにも共通です。追加ポイントは、春から夏の葉=秋芸の葉ではない大きな葉を秋の新葉展開前に一気に除去することです。クシャクシャの新葉が、大きな古葉の陰に入って生育が悪化するのを避けるためです。新葉も大きく育つ普通の品種では、積極的に古葉を取り除かなくても、大きく光を浴びやすいように展開してくれるので、マストではないです。
ツワブキの夏の育て方
ツワブキを一年間元気に育てる上で最も難しい季節は夏です。龍泉の舞の昇竜芸のような秋芸をしっかり見せるためには、夏を元気に乗り切って秋を迎えることがマストです。夏を元気に乗り切るために、私は2点に注意しています。
- 葉焼けしない範囲で、できるだけ日光に当てること
ツワブキは日陰の植物と思われがちですが、ツワブキを100%楽しむ上では、完全な間違いです。
夏も日光に当てた方が元気に締まって育ち、豪快な秋芸を見せることに通じます。日陰で育ててこそ発現する芸はありません。 - 葉水を含めてしっかり水やりすること
夏の水切れを避けるために、しっかり多めの回数で水やりをするのは当然です。
水のやり方にポイントがあります。土の上から上品に水を与えるのではなく、葉の表裏、芽点に水がかかるように豪快に水やりをすることです。理由はハダニ発生によるダメージを避けるためです。ヨトウムシ対策は注意深く観察するしかないですが、ハダニは水のやり方だけで、発生頻度を激減させられます。直射日光を避けるために遮光ネットを張ると雨が直接当たらないので、水やり時の葉水がマストになります。
どちらも一般的なツワブキの夏の育て方に、少しだけポイントが追加されています。日光にたくさん当てようが当てまいが、夏の水やりは、朝夕の2回に変わりはありません。どうせなら、顕著な秋芸が見れて、綺麗な黄色の花もたくさん見れるように、株を厳しく鍛えあげるような夏にすることが大事です。