ツワブキ 花物
ツワブキの開花が始まりました。私は黄色の花が好きなので、ツワブキの花が好きです。日本庭園のツワブキがたくさん開花しているのを見ると、秋の深まりを感じます。
普通のツワブキの花を一輪でしっかりと見ることはありませんが、少し変わった花になると、一輪をじっくり見たくなる魅力があります。ツワブキの芸は、葉芸の印象が強いですが、花物も色々あって楽しめます。
ツワブキの花物の特徴を簡単に記しますと、
- 花色
*基本色は黄色
*薄くなった変化として、クリーム色から白色
*濃くなった変化として、オレンジ色 - 花弁数
*基本は一重
*八重、千重もあり - 花弁の形
*基本は周辺花の花弁は楕円形
*管咲き:周辺花の花弁の先が円筒状
*丁字咲き:中心花が顕著な円筒状
*切れ込み:周辺花の花弁先端が切れ込む
*内巻き:周辺化の花弁が短辺方向に折れ曲がる
になります。他にもあるかと思いますが、代表的な特徴として。。。
花色と花弁数は他の植物の花物にも共通する切り口と思います。花弁の形は、ツワブキ独特なものもあり、楽しいところです。
ただ、ツワブキを花で品種を選ぶかというかというと、そこまで強い魅力が花にあるとは思えません。ツワブキの最大の魅力はやっぱり葉芸だと思います。すごい葉芸に追加して花も綺麗!というのが花物の楽しみ方に感じます。
ツワブキ 小田絞り
中斑で有名な『小田絞り』の花が面白かったので、紹介します。小田絞りの花は特段の変わり花で無かったと思うのですが、周辺花に管咲きが混じっていました。
葉芸だけでも綺麗な小田絞りですが、一輪の花もじっくり見ていると、面白い発見があります。一品種ごとにじっくり楽しみたくなるところは、鉢植えの良いところです。
ツワブキ 四国神龍
管咲き繋がりで、ツワブキ『四国神龍』です。四国神龍は、石化・角葉・フギレ葉・脈斑…等々の葉芸も凄いのですが、完全な管咲きになる花物でもあります。似たような葉芸は別の品種でも見られるので、私は完全な管咲きの花の方こそ四国神龍の魅力に思います。今年は開花がなさそうなので、過去の写真からの紹介です。
ツワブキ 変わり花
品種名は分かりませんが、周辺花の咲きに切れ込みが入って賑やかになる変わり花も咲き始めていました。
一枚目の普通のツワブキの周辺花の1枚の花弁と比べると、深い切れ込みが入って、細かい花弁になっています。賑やかな花は八重咲、千重咲が分かりやすいですが、切れ込みで細かい花弁が多数になるのも綺麗です。
ツワブキ 白波
今度も一重咲きの変わり花?です。花の形状の定義では変わり花でないのですが、花弁のバランスが少し変わって、花の雰囲気が違って見えます。
一枚の花弁が幅広で、中心花に繋がる部分で一気に細くなる感じです。周辺化の花弁間が開いており、花の印象が変わります。
ツワブキ 縮面・竜頭
今度は内巻きの周辺花です。綺麗というより、変わった感じです。
開花直前の状態はふにゅふにゃした花弁で、既に変わった雰囲気を醸し出しています。
この品種は花だけでは、何とも言えない感じですが、葉芸はとても面白い品種です。皺くちゃすぎる葉は、知らない人が見たら病気の葉と間違えますね。
ツワブキは、葉芸&花物の多芸な品種も多いので、楽しみは尽きません。
ツワブキ 黄楓
続いて、外周の周辺花でなく、中心花に注目して、丁字咲きの『黄楓』の花です。今年はまだ咲いていませんので、過去の開花写真です。
外周花が普通の花と変わらなくても、中心花が変わっていると、全然、印象が変わります。黄楓は、花も綺麗ですが、葉芸も面白いです。黄色の星斑に、波・フギレの形態変化芸が加わるもので、一年中、葉芸を楽しめ、秋には特別な花も楽しめます。
ツワブキと同じくらい好きな植物としてアジサイがあります。額咲きのアジサイの外周の「装飾花」と中央の『両性花』が、ツワブキの外周の「周辺花」と中央の『中心花』と考えると、同じ花の構成です。花が2つの構成になっているので、装飾花(周辺花)と両性花(中心花)のそれぞれで多様性が見れるのが面白いところです。装飾花ばかりで両性花の多様性が無くなる理由で、手毬咲きのアジサイはあまり好きではありません。。。
ツワブキ 星斑縮面獅子
最後に、星斑縮面獅子です。丁字咲きの中心花に、切れ込みの周辺花の花物の複合タイプになります。
この品種も花物だけでなく、葉芸も賑やかです。品種名の通り、星斑に白斑を交える斑入りに、縮面葉の多芸な葉芸です。
ツワブキ 八重咲、千重咲
次回は、八重咲、千重咲の派手花のツワブキが咲いた頃に、ツワブキの花物の2回目の記事を書きたいと思います。