HxT亜属間交配スイレン

スイレンの「スライドしない植え替え(フェイ・マクドナルド)」|2022年盛夏

亜属間交配スイレン「フェイ・マクドナルド」の紹介

 前記事「スイレンの「スライド植え替え」」、前々記事「スイレンの「スライドしない植え替え」」に続いて、繰り返しですが、「スライドしない植え替え」の作業記録です。今回は、亜属間交配スイレンのフェイ・マクドナルドです。フェイ・マクドナルドは、薄紫が映えるとても綺麗な色のスイレンです。マニカムやサイアム・ピンクムーンのような多数の花弁の豪華な花とは別の美しさがあります。今回は、「スライドしない植え替え」の再紹介に合わせて、とフェイ・マクドナルドの紹介になります。HPのアイコンに使っているフェイ・マクドナルドの写真です。

亜属間交配スイレン-フェイマクドナルド

マイク・ジャイルズ作出のHXT亜属間交配スイレンのフェイマクドナルド

 耐寒性スイレンにはない青系の色は、亜属間交配スイレンの特徴です。ただ、このフェイ・マクドナルドもですが、青系の色(藤色~薄紫色)であり、青色のスイレンではありません。亜属間交配種の青系のスイレンは、濃色系と淡色系に別れるようです。
 濃色系は、パープルファンタジーやヴィオリシャス、ディテクティブ・エリカ、パープルシルクなんかが該当します。淡色系は、サイアムパープル1に始まり、フェイ・マクドナルド、マルベリーミスティーク、パープルシルバーなんか該当するかと思います。ただどれも青色のスイレンではなく、基本色は紫になります。

フェイ・マクドナルドの「スライドしない植え替え」

 まず、8月頭の株の現状です。

スイレン-フェイマクドナルド-植え替え

フェイ・マクドナルドの『スライドしない植え替え』(植え替え前)

 黄色の四角が根茎の位置です。もう少しで、ブロックにぶつかるので、「スライドしない植え替え」の良いタイミングです。花芽がたくさん見えており、生育が順調なことがよく分かります。

スイレン-フェイマクドナルド-植え替え

フェイ・マクドナルドの『スライドしない植え替え』(植え替え前)

 「スライド植え替え」では現在の根の状態から、根の切断が入り、一時的に根量が減り、生育に影響を与えます。ただし、「スライドしない植え替え」は一切、年の切断が入らないので、根量の変化がなく、生育への影響は一切ありません。2つの花芽も近々咲いてくれるはずです。「スライドしない植え替え」は、ブロックで制約された土の中で、きっちり根を張らせ、鉢増しの要領で、新しい土&肥料で、そのまま生育を続けられるメリットがあります。もちろん、作業が楽!というのが最大のメリットですが。
 続いて、ブロックを除去します。至って簡単です。手もそれほど汚れません。

スイレン-フェイマクドナルド-植え替え

フェイ・マクドナルドの『スライドしない植え替え』(ブロック除去)

 左側の底には、ブロックの底に敷いていた赤玉土(大粒)が見えます。右側の制限された領域で、根を張り、左側には根が進んでいないことが分かります。逆に考えると、このブロックの場所に土&肥料を入れていても何の役にも立っていないことになります「スライドしない植え替え」は、根が張る必要なスペースのみに新しい土&肥料を与える効率的な植え付け方とも言えます
 最後に、土&肥料を入れて完了です。普通の植え替え、スライド植え替えに戻れない簡単さです。

スイレン-フェイマクドナルド-植え替え

フェイ・マクドナルドの『スライドしない植え替え』(植え替え後)

フェイマクドナルドの花色変化

 今年2022年のフェイマクドナルドの写真をいくつか紹介します。まず最初に6月末の花です。

亜属間交配スイレン-フェイマクドナルド

HXT亜属間交配スイレン「フェイマクドナルド」(2022年6月)

 透明感のある薄い紫色です。ただ、最初に出した写真に比べると、青みが弱くて、色が紫側に寄っています。次に7月の花です。

亜属間交配スイレン-フェイマクドナルド

HXT亜属間交配スイレン「フェイマクドナルド」(2022年7月)

 少し発色が濃く見えます。ただし、色味はやはり紫で、青みがありません。同じく、7月のもう一つの花です。

亜属間交配スイレン-フェイマクドナルド

HXT亜属間交配スイレン「フェイマクドナルド」(2022年7月)

 微妙な色差ですが、青みでなく、赤みが強く出て、赤紫に近づいています。同じく亜属間交配スイレンのトロピックスターの蛍光ピンクの発色は、多少の濃淡の差はあっても、色味が変わることはありません。一方で、フェイマクドナルドの花色は、青みが強く出たり、赤みが強く出たり、色の振り幅があり安定しません。
 色の変化と言えば、アジサイが思い浮かびます。厳密には全ての品種に当てはまるわけではないのですが、色の振り幅が広い品種では、土壌酸度によって、青系の花からピンク系の花に変化します。土壌酸度をもう少し深堀すると、青系はアルミニウムイオンが多いほど青系の発色が良くなります。ピンク系は、リン酸量が多くなると、ピンク系の発色が良くなります。
 同じことをフェイ・マクドナルドの花色に当てはめると、やはり大量に施肥する肥料分の影響があると推察されます。私が施肥する肥料の種類は、IB肥料、マグアンプとバットグアノになります。IB肥料とマグアンプは化成肥料になり、バットグアノは有機肥料になります。N-P-Kの配合比では、IB肥料がN-P-K:10-10-10、マグアンプがN-P-K:6-40-6、バットグアノがN-P-K:0.01-31-0.05になります。配合比の点では、IB肥料だけがN-P-K等量型で、マグアンプとバットグアノはPが異常に多いタイプです。バットグアノはN-P-K以外の微量成分が多種入っているようです。
 最近の「スライドしない植え替え」「スライド植え替え」ともに施肥する肥料にはバットグアノを入れていません。有機質の肥料による水のグリーンウォーター化を避けるためです。もし、8-9月のフェイ・マクドナルドの花に青みが増してきたのであれば、バットグアノ有無が一つの因子として理解されます。
 耐寒性スイレン、亜属間交配スイレンの花色は、今回紹介したフェイ・マクドナルド以外にも振り幅が大きい品種がいくつかあります。微妙な花色の変化が、花の時期なのか、肥料なのか、根茎の個別の特性なのか、温度なのか、、、もう少し要因を理解して、好きな色に発色させたいものです。

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