満月ロウバイの開花 2021年正月
毎年、正月の新年早々の庭の花は満月ロウバイから始まります。蝋細工の蝋が花の名前に当てられる通り、透明感のある黄色がとても綺麗な花弁です。秋に記事にするツワブキの透明感の全くない花弁とは別物です。
大阪府の我が家のロウバイは常に正月に開花してくれて、庭に正月の季節感を醸し出してくれます。正月に開花のピークとなる花は少ないので、この時期はロウバイのみを十分に楽しめます。しかし、実家の兵庫県のロウバイはなぜか3月に開花します。理由は全く分かりません。。。ロウバイの種類は同じ満月ロウバイになるのですが、不思議な個体差があるようです。3月に開花すると、梅やツバキも咲き始める時期と重なってしまい、少し損な感じがします。
『満月』ロウバイは、花の中心に紫褐色の輪が入ると聞きますが、我が庭の『満月』ロウバイには見当たらずに黄色一色です。満月ロウバイは、実生で生産されるそうで、花が多少、変異しているのかなと思います。個人的には『素心』ロウバイと同じように黄色一色の方が好きです。花に拘る場合は開花株を買った方が良いのかもしれません。
全体の株姿を見てみると、下の枝から上の枝まで満遍なく咲いてくれてるのが分かります。
近づくと、ロウバイ特有の良い香りが強く漂ってきます。花の美しさだけでなく、匂いもロウバイの魅力です。
ロウバイ、蝋梅は梅の字が入り、開花時期も梅と近いのですが、梅とは異なります。ロウバイは、クスノキ目ロウバイ科となり、ウメはバラ科になります。梅、桃、桜はすべてバラ科なので、近縁の花木になります。
科が違うので当たり前かもしれませんが、「梅切らぬ馬鹿」と言われるように、梅は花を咲かせるために剪定に気を配るのに対し、蝋梅は、剪定に殆ど気を配ることなく、株姿は安定し、開花数も安定しています。余計な交差枝等を切る程度で、自然に株はまとまり、毎年、多数の開花を楽しめます。ロウバイの方が、梅より確実に育てやすいと感じます。
花梅 酔心梅、楠玉、日光梅
まだ未開花で寂しいですが、ついでの梅の紹介です。ロウバイは品種が殆どなく、選んで購入する楽しみが少ないですが、梅は多数の品種があります。京都の北野天満宮の梅園で、『思いのまま』という同じ木に、白花、紅花、絞り花と咲き分けてくれるのを見てから、白梅、紅梅の単純な括りでなく、品種名を覚えるようになりました。
まず花梅『酔心梅』です。1月現在ではもちろん開花していませんので、昔の写真になります。丸弁でコロンとした八重咲に、外周弁に薄い桃が入るとても可愛らしい花です。普通の梅より、格段、綺麗な花だと思います。品種に拘らなければ、この花と出会うことはなかったと思います。
『酔心梅』は滋賀県の長浜盆梅展を見に行った時に、盆栽苗として購入しました。盆栽はイマイチ性に合わないので、そのまま大きくなるように育てています。
次に『楠玉』です。こちらも『酔心梅』と同じように外周弁に桃色が入りますが、花のサイズ・立体感、桃色の入り方が異なります。
花写真がないので、1月の開花前の状態です。蕾が分かるだけで、面白い写真ではないですね。。。
最後も花写真が無いのですが、『日光梅』です。花は薄い桃色の八重咲です。花は特段の特徴はありませんが、枝に特徴がある珍しい品種です。
1枚前の『楠玉』の枝と比べると、『日光梅』の新枝は、普通の濃緑・褐色枝でなく、オレンジや黄色(錦枝)になっています。モミジの紅葉をイメージさせる綺麗な発色で、花が咲く前から楽しめます。すべての新枝に発色するわけではなく、普通の梅の枝も混じっていることが分かります。
剪定時期には、錦枝が出ない枝のみを強剪定して、全枝が錦枝になるように株姿を整えています。ある論文を読むと、『日光梅』の錦枝性はウィルスに因るとありますが、10年ほど育てていて、周囲の植物に悪影響を及ぼすことは発生していません。
次は、庭の楠玉、日光梅の花が開花した時に紹介します。あと是非に紹介したい品種は、『朱鷺の舞』です。大阪城公園梅園や万博公園梅園の多数の梅の中で、1,2本と数少なく植わっています。とてもとても綺麗な梅ですので、もし梅園に行けたら、写真を撮ってきて紹介したいと思っています。