ストレリチア

ストレリチアの冬越し比較|2021年春

ストレリチアの冬越し方法

 ストレリチアは、スタイリッシュな葉姿、印象的な花(極楽鳥花)で、大好きな観葉植物です(記事「ストレリチア・レギネーの初開花」)。見た目だけでなく、剪定が不要(古い葉を落とすだけ)で、耐寒性も高く、育て方においても優秀です。
 今回は、この育て方の「冬越し(耐寒性)」についての悲しい記事です。。。最初に、観葉植物の冬越しで注意するポイントは、大きくは2段階あります。

  1. 屋外で越冬できるかどうか?
    屋外で越冬できる場合は、庭にそのまま放置できるのでとても冬の育て方が楽です。
    多少、気にするのであれば、風雨を避ける軒先や玄関先です。
    一度置いてしまえば、冬は殆ど水やり不要なので、放置しているだけで楽です。
  2. 屋内栽培の場合、部屋のどこに置くか?
    屋外に放置できない場合、必然的に部屋の中に入れて育てます。
    普通の観葉植物は、基本的に部屋の中で冬越しします。
    部屋の中でも、リビングのような日当たり良好で、最低気温も高い部屋があり、
    玄関のような日当たりが悪く、深夜・早朝に一時的に5-10℃になる部屋もあります

 ストレリチアは、前記事「ストレリチア・レギネーの初開花」で書いた通り、ニコライ(オーガスタ)、レギネ、ジャンセア(ユンケア)の3種類あります。この3種類で冬越しの方法が異なります。(注意点は、大阪の市街地のバルコニーで育てた実績からの記事です。北日本・西日本の山間部のような寒冷地、また沖縄のような暖地では異なります。

  • ストレリチア・ニコライ(オーガスタ)
    最も耐寒性が低く、屋外で冬越し不可です
    迷わず11月下旬までには部屋の中に入れます
  • ストレリチア・レギネー
    0℃程度には耐えるので、大阪では屋外栽培できます
    ただし、氷点下が続くと大ダメージを受けます
  • ストレリチア・ジャンセア
    レギネーに準じ、0℃程度に耐えるので、屋外栽培可能です
    レギネーより耐寒性が高いです

 今回は、残念な結果を含みますが、レギネーの屋外での冬越しの厳重注意点と、レギネーに対するジャンセアの耐寒性の違いを示します。

レギネー 冬越し状況1月末(寒波後)

 まず前記事にも示した2020年10月の元気な時の写真です。

ストレリチア-レギネ-耐寒性-10月

ストレリチア「レギネ」10月

 左がゴールドクレストの優良株、右が黄花原種Aです。どちらも大変貴重な株です。10月なので当然ですが、葉も元気で花芽も多数上がって、大喜びしていた時期です。
 次に1月末です。1月初旬に氷点下が続く厳寒期があり、屋外に置いていたら、一気に大ダメージを受けてしまいました。

ストレリチア-レギネ-耐寒性-1月

ストレリチア「レギネ」1月

ストレリチア-レギネ-耐寒性-1月-葉

ストレリチア「レギネ」1月の葉

ストレリチア-レギネ-耐寒性-1月-株元

ストレリチア「レギネ」1月の株元

 葉は丸まり、黄変しています。多数の花芽も黄変しており、折れている花芽もあります。この時点で、回復のためのケアをするべきでした。葉も多く充実した株に育てていたので、株元の中心の成長点は枯死せずに冬を越せると思っていました。。。
 1月の最低気温の情報です。例年より一段と、2021年1月の気温は寒かったことが分かります。

大阪-冬-最低気温-3年比較

2018-2021年の大阪の冬の日ごとの最低気温比較

レギネー 冬越し後3月末

 次に3月末の最後の姿です。1月末にダメージを受けたまま、そのまま屋外で育てたものです。

ストレリチア-レギネ-耐寒性-3月

ストレリチア「レギネ」3月

 右の黄花原種Aの葉を見ると、1月末の姿からさらに悪化していることが分かります。1月の大寒波ほど極端に低温化する日は無かったのですが、悪化が進行しています。左のゴールドクレストは、先に処理してしまって地上部が無くなっていますが、右の黄花原種Aと同じ状態でした。

ストレリチア-レギネ-耐寒性-3月-株元

ストレリチア「レギネ」3月の株元

 根元部を見ても、1月から3月に明らかに悪化しています。この後、枯れた葉を落としていくと、根元部が抜けてしまいました。。。腐ったような嫌な匂いが漂っていました・・・

ストレリチア-レギネ-枯死

ストレリチア「レギネ」3月(処理後)

ジャンセア 冬越し後3月末

 最後に同じバルコニー内で育てていたジャンセア2株の冬越しの結果です。ジャンセアは、レギネより耐寒性が強いと言われますが、どの程度、強いかを比較評価します。途中の写真が無いですが、3月末の株姿です。

ストレリチア-ジャンセア-耐寒性-4月

ストレリチア「ジャンセア」屋外冬越し後の3月末

 同じバルコニー内で育てたレギネ2株が枯死する一方で、しっかり生き延びています。育てている2株とも、古い葉は枯れていますが、中心側の新しい葉が緑色を保っています。

ストレリチア-ジャンセア-耐寒性-3月-株元

ストレリチア「ジャンセア」屋外冬越し後の3月末の株元

 成長点を注視しても、元気なことが分かります。株の充実度合いは、レギネよりジャンセアの方が若い株でした。充実したレギネが枯死し、まだ若いジャンセアが生き延びたことから、レギネよりジャンセアの耐寒性が高いことが明確に分かりました。

ストレリチアの冬越し(耐寒性)のまとめ

 ストレリチア「レギネ」「ジャンセア」の屋外での冬越しのまとめです。貴重なレギネ2株が枯死して残念ですが、ストレリチアの冬越しでの注意点2点が明確になりました。

  • レギネの屋外での越冬は避けた方が無難
    氷点下の最低気温が続くと、枯死するダメージが残ります
    (最初は緑色が残っていて大丈夫に見えても3か月後には枯死に至ります)
  • レギネよりジャンセアの方が耐寒性は明確に高い
    ジャンセアは氷点下の最低気温が続いても枯死しにくい
    暖冬年、厳冬年を気にせず、年中屋外栽培が可能

 レギネよりジャンセアの方が明らかに耐寒性が高いことが明確になったことは参考になる知見です。冬に屋内に入れるのが面倒でしたら(私もそうですが)、レギネよりジャンセアの方がおすすめです。ただし、ストレリチアの魅力の極楽鳥花の開花はレギネよりジャンセアの方が難しくなります。レギネを冬は屋内で育てて極楽鳥花をたくさん楽しむか?、ジャンセアを年中外で育てて、数少ない極楽鳥花を何とか楽しむか?の2択です。部屋が広くて余力があるなら、もちろんレギネがおすすめです。。。
 最後に、ストレリチア「ニコライ」(オーガスタ)についてですが、屋外での冬越しは論外です。暖冬年に生き延びればいいところで、迷わず屋内で育ててください。そもそもオーガスタは屋外で育てると、風で葉がズタボロになってしまい、『観葉』植物として無残な姿になります。タフな葉で屋外の風にも全く負けないレギネ、ジャンセアは、『観葉』植物としても、とても優れていることが分かります。

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